![[特別対談 アドバイザーの就活相談] 日本の企業&就職活動の疑問・質問にズバリ答えます](/info/kaigai/pku/images/taidan_mv.jpg)
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東京大学大学院の修士1年。研究分野は都市工学。日本での就職を希望し、サマーインターンシップに応募するなど、既に就職活動をスタート。若いうちから仕事を任せてもらえる企業で働きたいと考えている。

北京大学と東京大学公共政策大学院のダブルディグリー・プログラムに参加し、同大学院院の公共管理コース修士課程に1年間の予定で在学中。現在は国土交通省でインターンシップ中だが、どの国で就職するかといった進路は未定。

リクルーティングアドバイザー(企業担当)として、幅広い業界や規模の企業をサポート。中国人学生の新卒採用支援には幅広い経験があり、外資系のメーカーやコンサルティング企業も多く担当している。
今日は、“日本企業で働く”ということをテーマに、お2人の考えをいろいろと聞かせていただければと思います。
日本企業や日本での就職活動について何か、これを聞いてみたかったということはありますか?
たくさんあります(笑)。

日本企業が皆さんのような中国からの留学生の方々を採用する目的は、主に2つあります。1つは、中国で事業を展開する企業が、中国語と中国文化に通じるキーパーソンとして採用するケースです。日本で採用して育成し、自社の社風を引き継ぐ人材として、将来は中国での幹部になって欲しい。そんな期待を皆さんに抱いています。
2つ目は中国事業に限らず、今後のグローバル化に向けて、組織活性化のために採用するケース。その背景には、日本の少子化問題があります。今までは、日本国内の労働人口が増え続けていましたので、その中から幹部候補生を育成することができたのですが、これからは日本の若者だけでは人材が足りない。海外企業とグローバルに戦うために、皆さんのように海外から来た方を幹部候補、役員候補として育てよう、と。そう考える企業が増えているんです。
特に、中国語、日本語、英語の3カ国語が話せる“トリリンガル”の方も多い中国からの留学生は、これからの日本企業のグローバル化において、貴重な戦力として期待される存在です。
入社後は日本の新卒者と同じように働くことになるのですか?
それも2つのパターンがあります。1つは、入社後の待遇が日本人とまったく同じ企業。“ジョブローテーション”という日本特有の育成方式で、約3年から5年の間にいろいろな部署を経験してもらって、10年くらいかけて皆さんをリーダー候補に育てていきます。
もう1つは、中国事業の専任スタッフとして特定のポジションを設けるケースです。もしくは中国だけでなく、ヨーロッパやアメリカなどでの海外事業を拡大していくうえで、核となる役割を任せたいと考えてポジション採用する企業も多いんですよ。
日本の企業にとって、北京大学出身の学生は特別な存在ですか?(笑)
特別な存在です。日本でも北京大学は有名ですし、北京大学の学生さんは優秀だということを、ほとんどの企業の経営者が知っていますから。
中国人の学生さんを採用しようと考える経営者はまず、「北京大学の方に来て欲しい」と言いますね。

日本企業は、先ほどお話したように“ジョブローテーション”で人材を育成するんです。最初に配属した部署で力を発揮できなくても、次の部署では活躍できるかもしれない。そう考えて、その人が持つ可能性を長い目で見て採用するわけです。
外資系企業は能力重視で採用しますから、「能力がない」と判断されると一年で解雇ということにもなりかねない。一方で、日本は終身雇用が前提です。そこで大事になるのが、会社のカラーと合うか、職場の仲間とうまくやっていけるかということ。だから社風との相性を大事にするんですね。中国の方から見ると、面接で「スポーツをしていますか」と聞いたり、不思議な質問も多いと思いますが(笑)。
そうです。どうして部活がそんなに重視されるのだろうと思っていました(笑)。
人柄を探ろうとしているんでしょうね。
一緒に働きたいと思える人かどうかを、確かめようとしているんです。
北京大学の学生の意識は、少し違います。自分にプライドを持っているし、中国では自分がいかに優秀かをアピールすることが大切なんです。
でも、私が書いたエントリーシートを日本人の学生に見てもらったら、「これでは企業に好感を持たれない」と言われてしまって。日本ではもっと謙虚な姿勢でいたほうがいいのかなと思いました。
日本では、個の力よりも集団の力を重視する傾向があるんですよね。仕事って、一人ですることはほとんどないでしょう。
第三者を巻き込んで、どれだけ成果を出せるか。どれだけチームワークを発揮できるかということを、日本企業はとても大事にするんです。
中国はもっと個人主義ですし、中国企業はたぶんリーダーシップを重視しています。
リーダーを目指さない人は、向上心がないと思われますから。
日本でも向上心は重視されますね。でも、それはリーダーシップと同義ではなくて、例えば決まった作業を誰よりも速く、正確にできるようになりたいというのも向上心として認められるんです。そうやって一人一人を適正配置するという美学が日本企業にはあって、その根底に流れているのは“人は誰もが何か長所を持っている”という思想なのではないかなと思います。
ですから、中国の学生さんはリーダーシップばかりをアピールする人が多いなと、日本企業は思っているかもしれないですね。そのことが、日本の文化を受け入れる柔軟性に欠けるという印象につながる恐れもあります。それに対して少し違う個性、例えば社交性や今お話した柔軟性といったものをPRすると、日本企業は注目すると思いますよ。
中国の面接では、学生さんがプレゼンテーションをして、それに対して企業が質問していくという対等の関係がありますよね。でも日本では、企業が“選ぶ側”として学生さんにあれこれ質問します。中国の方からすると、どちらの立ち位置で臨むべきか、迷うところだと思います。
ご質問への答えとしては、日本企業も互いの違いを理解する必要があるものの、まずは日本式の面接に慣れてもらったほうが、うまくいくかなと思いますね。
では、もっと謙虚に(笑)。
ただ、日本企業が皆さんに求めるのは、今の日本人には不足しているハングリー精神やバイタリティ、向上心といったものですから、自分を変える必要はないですよ。自分を偽って入社しても、後で苦しくなりますしね。日本企業の価値観を理解したうえで自分を上手に出していくという、バランス感覚が大切かなと思います。
こうした企業の考え方や社風は、会社のホームページを見てもよくわからないことが多いですよね。そんなときには、リクルートエージェントに相談していただければ、アドバイザーが企業の実際の情報をお伝えします。
また、日本で就職活動する留学生の方からよく聞くのは、「どの企業が自分たちを必要としているかがわからない」ということ。「何社面接を受けても、いい反応が得られない」と。留学生を求める企業を見つけることに、皆さん一番苦労されるようなんですね。リクルートエージェントのアドバイザーは、日頃から企業の人事とよく話をしていますので、皆さんを必要としている企業の求人を的確にご紹介できます。
ほかにも面接のアドバイスや、入社後のビザ取得手続きの相談にも乗りますので、気軽に何でも聞いていただければと思います。
いろいろと勉強になりました。ありがとうございました。
こちらこそ、今日はありがとうございました。

日本企業の文化を受け入れる、または少なくとも受け入れる姿勢を示すといった柔軟性が足りないなど、中国人留学生の苦手なところがわかりました。ただ、だからといって自分を変える必要はなく、日本企業の価値観と自分の個性とのバランスの問題だということが理解できたのも今日の収穫。これからの就職活動に、役立てたいと思います。
グローバルに活躍できるのはどういう人材なのかについての認識が深まりました。私はまだ日本に来て4カ月。将来どの国で就職するかは決めていませんが、仮に日本以外の国の企業で働くことになったとしても、その国の文化を受け入れるのはとても大切なこと。そういった視点を持つことができ、勉強になりました。
日本企業の海外売上高比率が高まる中で、皆さんのような中国からの留学生の方々を求める企業は、今後確実に増えていきます。しかしながら、日本企業の受け入れ態勢は未熟で、留学生の方々も日本企業についての情報が不足しているのが現状です。リクルートエージェントがお互いの理解を深めるためのかけ橋となり、日本企業と留学生の皆さんをつなぐようなサービスができればと思っています。